ファンタジーにもよく「鏡」というものは登場します。

あれは不思議なものですから。

人形劇にアレンジされた「くるみ割り人形」は主人公のクララが時計の中に迷い込むお話ですが、鏡の中に迷い込む作品も多く、日本ファルコムの「イース」などはゲームであのファンタジーを上手に表現しています。

 

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先日、プライドについての記事を書きましたが、これとよく似た話に「自意識過剰」があります。同じではないのですが。

自意識過剰もプライドと似て、他人の持っているであろう「私のイメージ」を修正するべく迫るところがあります。遠くから近所の人がやって来たとき、「下手なアイサツするからといって、それだけで私を判断されては困るんだよ」などと心のどこかで警戒を始めるのは、即興能力に自信がないということでしょう。

こういう類のことを延々書いていたのが酒井順子さんだったと思います。

自意識過剰! (集英社文庫)

自意識過剰! (集英社文庫)

  • 作者: 酒井順子
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 ベランダの取っ手を気持ちよく拭いているだけの人の「心の中」を読んだ気になって、「あの人、またあんな格好して」などという心理ナレーションを勝手に挿入しているのは、他ならない自分自身の頭脳です。他人に見ているその「心理」は、「私の私に対するリアリティある批評」なのです。

そういう意味で、特に自意識の強い人にとっては、他人をいくら見ても他人を見ることはできず、全部自分の心を映し出すだけになってしまいます。ちょうど、いくら鏡を見てもその素材であるガラスを見ることはできないで、ひたすらうつっているものしか意識できないようにです。